茅場町駅の不動産会社の人間として、東京の狭小ワンルーム(狭めのワンルーム)は今後も一定の需要が続くのではないかと考えています。
その理由を簡単に3つあげてみます。
- ミニマリストブーム?
- 東京ワンルーム条例による新規供給数減少
- マンション大規模改修工事のハードルの緩和傾向
①ミニマリストブーム?
昨今、特に若い世代の間でミニマリストという概念に共感が集まっていると聞きます。
平たく言うと、「モノを極力持たない」という概念になるのでしょうか。
実は私自身も元々一人暮らしの時より、家に物が少なかった人間です(ミニマリストの自覚はありません)。
現在は家族で暮らしているものの、独身時よりも私の物というのはより少なくなったと思います。
弊社へお越し頂いた方にも、「物が少ない」「スッキリしてる」とは時々言われたりもします。
2019年当時の弊社↓
2022年↓
そのため、昨今のミニマリストという概念に自然と興味があるのかもしれません。
YouTubeなどで時々目にとまった際には、しばらく見ている自分がいたりします。
少し話がそれましたが、このミニマリストの方の一人暮らしでは、狭小ワンルームに住むという選択肢も多いようです。
「物が少ない=狭い部屋でも可」という図式が完成しますので納得です。
同時に「狭い=家賃は安くなる」という図式も完成します。
今後もミニマリストという概念が世の中で共感され続いていくものだとしたら、狭小ワンルームの需要は今後も一定数保たれるということになります。
ミニマリストの方々の指す「狭小」の具体的な定義というのはわかりませんが、「~15㎡程」のイメージなのかなと予想させて頂きます。
あくまでも予想のため、実際にはもっと狭いワンルームも東京には多く存在しますので、それらも含めます。
②東京ワンルーム条例による新規供給数減少
そもそも現在は東京のワンルーム条例があり、一定の規模のマンションなどでは25㎡未満のワンルームや1Kの部屋を建てていくことができません。
厳密に言えば、それぞれの区によっても条件は異なってくるのですが、原則は25㎡未満の部屋の供給数は新築マンションの中のわずかな供給であると言えます。
25㎡と言うとどれくらいの部屋のイメージになるかというと、
「6帖の洋室とクローゼット。バストイレ別、キッチンあり」
という、オーソドックスなよく知る1Kの広さの部屋となります。
これは多くのミニマリストの方が指すところの狭小ワンルームとしては広いはずです。
では、狭小ワンルームのマンションはどういったタイプのマンションの中に存在するかというと、東京ではだいたい2007年以前に多いということになります。
そうなると、バブル期に建てられた昭和築のマンションの需要も引き続き強含む可能性ありということになってきます。
③マンション大規模改修工事のハードルの緩和傾向
さらに最近のニュースなどからも読み解ける、今後のマンション修繕の傾向についてです。
古くなって老築化の進むマンション全体の大規模改修工事(リノベーション)についてのハードルを下げようとする動きが進む流れとなっていきそうであるというものです。
ざっくりと言うと、「マンション全体をよみがえらせる大きな工事を行いやすいようにする」ということになり、住民(区分所有者)の必要同意数を緩和する流れとなっていく雰囲気があります。
そうなってくると、既存の狭小ワンルームの入っているマンションは今後も生き続けていくということになります。
この点においては、ミニマリスの方々の需要とも共存していけるということになってきます。
経済効果
100年コンクリートなどとも呼ばれ、マンションは構造上メンテナンスをすることで長生きすることができます。
メンテナンスの技術も進化を続けているのは言うまでもありません。
さらに、この大規模改修工事実施のハードルが下がるとすると、経済効果も期待できることになります。
金額が大きくなるため、金融機関の融資が絡んでくることも、それぞれのマンションの運営状況によってはあるかもしれません。
いずれにせよ、経済活性化には一役買うということになります。
これらは、スクラップ&ビルド(古い建物を解体し、新築を建てる)という、これまでの日本の住宅政策と逆方向の動きと言っても過言ではありません。
既存のマンションは日々築年数が経過していきます。
今後のマンション維持方法がどのような方向性で交通整理されていくのか、不動産会社としてもちろん注目していきたいと思います。