金利が上がると不動産価格が下がると言われるのはローン借入可能額が減るため

2022年12月に日銀が金利についての上限幅についてサプライズ発表をしたことで、少し市場が動揺し、今後の様々な憶測が飛び交っている渦中です。

一般的に「金利が上がると不動産価格は下がる」と言われています。下がる要因として「ローン借入可能額の減少」すなわち「ローンを借りられる額が減る」という点があります。

 

◆日銀発表の事実上の利上げによる不動産価格への影響

先日2022年12月20日に日銀の黒田総裁が金利の事実上の値上げを発表したことでニュースになりました。これまで、しばらくは金融緩和を続けていくという発言をしていた中でのサプライズ発表に、日経平均株価も為替(ドル円)も大きく下降方向に反応しました。弊社は日本橋兜町のため、このニュースを受け、カメラマンが証券会社の株価の電子ボードを撮影しているのも目に入りました。

以前、当ブログの「2023年の不動産価格予想」の中でも書いたように、今後の金利と為替には注目しております。

金利が上がれば不動産購入と関係の深いローンの借り入れ可能額が減ることになります。今回の政策転換によって固定金利には影響が出てくることが予測されており、変動金利については今のところ影響は出ない予測がされています。

今後さらなる利上げ容認方向への政策が続くとなると不動産価格への影響が出てくることになります。アメリカでは今年に実際住宅ローン金利が大きく上昇し、不動産価格は下がりました(関連:アメリカの住宅ローン金利が7%越え)

日本は金利を上げられないと言われてきた中で、「金融緩和」「ゼロ金利政策」の状況から果たしてどのような方向へ進んでいくのか。来年2023年には日銀の黒田総裁の任期終了となるため、世の中の注目も集まっています。不動産会社としても注目していきたいと思います。

 

◆金利が上がった場合の住宅ローン借入可能額

実際に金利が上がった場合の住宅ローン借入可能額について簡単に例を上げていきたいと思います。

固定金利であるフラット35の借入期間35年という条件にて、あくまで、一般的な試算方法を基に計算しております(1万円以下切り捨て)。※実際のお借入れには審査があり、借入可能額について保証するものではございません。

 

◇金利1.65%

まずは、現在2022年12月時点の金利である1.65%のケースです。

  • ご年収:借入可能額
  • 400万円:3,720万円
  • 500万円:4,650万円
  • 600万円:5,580万円
  • 700万円:6,510万円
  • 800万円:7,440万円
  • 900万円:8,370万円
  • 1,000万円:9,300万円

 

◇金利2%

  • ご年収:借入可能額
  • 400万円:3,520万円
  • 500万円:4,400万円
  • 600万円:5,280万円
  • 700万円:6,160万円
  • 800万円:7,040万円
  • 900万円:7,920万円
  • 1,000万円:8,800万円

 

◇金利2.5%

  • ご年収:借入可能額
  • 400万円:3,260万円
  • 500万円:4,080万円
  • 600万円:4,890万円
  • 700万円:5,710万円
  • 800万円:6,520万円
  • 900万円:7,340万円
  • 1,000万円:8,160万円

 

実際に借入可能額は「金利が上がると下がる」ことになります。そのため、必然的に不動産価格も下げざるを得ないという状況になるのが通常の市場です。

昭和・平成バブル期のように、「金利が高いが不動産価格も高い」という状況になるのは少し考えづらいというのが本音です。

 

 

【別記】書籍『不動産DX 未来の仕事図鑑』を読みました

IT促進の不動産会社の代表者が書いた書籍です。実際に会社名は不動産会社として目にすることが多くあります。

コロナにより10年デジタル化が前倒しとなった不動産業界ということで、今後の業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)についての内容のため、不動産会社の人間として読みました。

基本的に不動産業界はデジタル化が遅れてると言われ続けており、実際に働いていてもそう感じることもあるのが事実です。一方で、物件の性質・個別性・流通などなどの理由によりアナログな部分でしかできない仕事も多いのも事実です。

この書籍に出てきた、今後の不動産関連の仕事についてはいろいろと参考になりました。どれくらいの速度でこういった業界へと変貌していくのかはわかりませんが、仕事として分業化されている印象が強く残ったものの、専門性について求められている要求は上がっているようにも感じます。

実際にここで提唱されているような業界態勢が整えば、不動産会社側はもちろんユーザー側にもメリットがあります。

紹介されていた未来の仕事内容について、全て理解できたわけではありませんが、仲介・管理・仕入れ・開発と幅広く取り上げられており、不動産業界に今後も身を置こうと考えている私には参考となる内容でした。