隣の家を買いたい方へ。話が進む可能性のある5つの方法

隣の家(戸建)を見ている夫婦

不動産の仕事をしていると時に「隣の家を買いたいけどどうすればよいか?」という質問を受けることがあります。

これまでに何度か直接質問を受けたことがあります。

知人やかつて不動産購入をお手伝いした方からです。

そこで、どのように進めていけば良いのかというのを、不動産会社目線でざっくり5つの方法にまとめてみます。

お隣の家に現在誰も住んでいないケースでの方法となります。

以下、5つです。

  1. 近所の方などに聞く
  2. 空家へ出入りがあればその人に聞く
  3. 謄本をとって手紙を書く
  4. 測量士に聞く
  5. 知り合いの不動産会社に頼る

順にざっくりお話させて頂きます。

もちろん、「借りたい」というケースもあると思いますので、そういった方にもご参考頂けると思います。

 

①近所の方などに聞く

お隣に住んでいた方の連絡先などがわからない場合は、まずは近所の方へ聞くというのが最も良い方法です。

聞く相手がお隣の家の方と親しい方であればよりベターとなります。

運がよければ連絡先などが判明します。

このあたりは、皆様も当然思いつく方法だと思います。

 

②お隣りの家へ出入りがあればその人に聞く

お隣の空き家に出入りがあれば、その方に直接聞くことです。

郵便の方かもしれませんし、たまった郵便を取りにきたり、室内を整理しにきた親族の方かもしれません。

出入りしている方には声をかけてみるべきです。

 

③謄本をとって所有者に手紙を書く

こちらは若干手間のかかる方法です。

一般の方が謄本(全部事項証明書)を取得することは、人生の中で一度もないと言っても過言ではありません。

法務局へ行けば、誰でも取得することができます。

法務局の方へ質問すると取得方法を教えて頂けます。

土地と建物それぞれ600円で取得することができます(2022年11月時点)。

謄本には、手がかりとなる所有者の住所が登記(記載)されています(※必ずしも登記されている住所に、今現在住んでいるというわけではありません)。

相続が発生していたりなんかすると、複数人でその建物と土地を共有している(持っている)こともあります。

その所有者の方々へ直接手紙を出すというのが一つの方法です。

もちろん、その住所へ直接伺うという方法もありますが、このあたりは各々の考え方によるところかと思います。

 

④測量士に聞く

もし隣の家が売りに出る場合、または建て替えられる場合、高確率で測量士が土地を測量しにやってきます。

その際にあなたご自身が隣地(隣の家)の所有者として、土地の境界立ち合いに参加することになります。

お隣との境界を確認し署名と捺印をします。

その際に立ち会うのが測量士となります。

その測量士へお隣の家または土地の現状について直接質問してみるのも一つの方法です。

運がよければ、所有者ご本人につないでもらうことができる可能性もあります(所有者から測量依頼を受けているため)。

また、売り出しの窓口となっている不動産会社や相続関連の音頭を取っていた弁護士などと、とつながることができる可能性もあります。

ところが、「測量士の登場が前提」と考えると、この方法はあくまでも待ちの方法と言えます。

測量士が登場しなければ、何も事は起きないということになるためです。

 

⑤知り合いの不動産会社に頼る

これまでの方法の場合だと、こんなことを考えてしまう方もいるでしょう。

「あまり人に聞き取り調査のようなことをしたくない」

「何か探っているのを近所に知られたくない」

「詮索しているようで何か嫌だ」

そういった方は、最初からご自身が知り合いの不動産会社を頼るというのも一つの方法です。

引き受けてくれるかどうかは各不動産会社や状況次第となりますが、一度聞いてみる価値はあります。

ネットで謄本をとることは不動産会社にとっては容易なことなので、引き受けてもらえる場合はそこからスタートしてくれるでしょう。

万一、お知り合いの不動産会社がいない場合は、私に直接ご質問頂いても構いません(※お引き受けできるかどうかはわかりませんが、そこはご了承下さい)。

 

以上が5つの方法となります。

 

隣の家は特別な存在

かつて、

「隣の家は2倍出してでも買え」

「隣の家は借金してでも買え」

といった格言のようなものがあったと聞きます。

買いたい理由は人によってさまざまです。

  • 庭を広げる
  • 実家の隣だから
  • 日当たりや風通しを良くしたい
  • 将来子供に住んでもらいたい
  • etc

隣の土地を購入すると、土地がつながり現在の家と地続きになります。

そのため、自宅と合わせて住宅ローンを新規で組むことも、既存で組んでいる住宅ローンの組み換えについても銀行へ相談してみることはできます。

 

遠くない将来、人口減少により日本では3軒に1軒が空き家という状況に突入すると言われています。

お隣の家のどちらかは空き家という状況が、エリアによっては当たり前になる見込みです。

集まるところに人が集まる二極化の時代がやってくると言われ続けています。

関連:コンパクトシティ化とは?なぜ必要なのか簡単にメリットを

空き家が増加していく中、もしかすると、みなさん自身も「実家のお隣の家(または土地)を買いたい」という気持ちになる日がくるかもしれません。

買うにも借りるにも不動産は同じ物が二つと存在しません。

興味があるにしろ、全くないにしろ、お隣の家・土地というのが特別な存在であることは間違いありません。