Z世代にも向けたホテルの3つの特徴から今後の住宅物件へ視点をスライド

白を基調にしたホテルの一室

コロナもようやく先行きが見え始めたのかと期待する昨今、新規のホテル建築は盛り上がっているようです。

弊社(中央区日本橋兜町)の向かい側の永代通り沿いにも、現在ハイアット系列のホテルが建築中です。

全国の観光地でもこのようなホテル建築への動きがあると予想がつきます。

沖縄の観光バブル感はすごいみたいですね。

 

そんな中、今回は東京都中央区にオープンする、あるホテルの部屋の特徴の話です。

東京都中央区にオープンするホテル

一人で泊まるホテルのお部屋を想像していただければと思います。

ざっくり宿泊代金は、ビジネスホテルより上、名の知れたホテルより下の中間あたりの設定とのこと。

Z世代(1990年代後半〜2012年頃に生まれた世代)も意識した室内の作りにしているそうです。

 

3つの特徴

3つの特徴を上げさせて頂きます。

  1. テレビ無し
  2. Bluetoothスピーカー
  3. シャワールームのみ

 

①テレビ無し

まず、「若者のテレビ離れ」もあり、室内にテレビが無いそうです。

そのかわりに、壁に映像を映しだすプロジェクターがあり、そこに自身のスマホをつなぎ好きな映像を楽しめます。

YouTubeなりネットフリックスなりアマゾンなりと。

もちろん、ホテルには無料WIFIがあります。

 

②Bluetoothスピーカー

次に、スピーカーはBluetoothです。

自分のスマホの音楽も動画の音も壁の中に埋め込まれたBluetoothスピーカーより流れてきます。

壁や天井から流れ、臨場感を感じることができそうです。

テレビが無いうえに、スピーカーも壁に埋め込まれているとなると、単純に配線が目立たずすっきりとした空間が想像できます。

 

③シャワールームのみ

次に、シャワールームのみ、浴槽は無し。

この点は、個々、性別、慣習などで意見が分かれそうです。

単純に浴槽がない分、部屋自体の必要面積は減少することになります。

 

3つの特徴より視点を住宅物件へ

①テレビの件

若者のテレビ離れが進んでいるのは周知の事実です。

最近はワンセグ機能をつけていないスマホも増えてきていると聞きます。

一人暮らしで部屋にテレビは無いというのは、特別なことではなくなっています。

今後は住宅でも若い世代を中心にこの傾向はますます一般的な流れとなりそうです。

 

②Bluetoothスピーカーの件

居住用の賃貸や売買の物件でもリフォームで埋め込みタイプのBluetoothスピーカーが施工されているのを時々みかけることがあります。

新築物件でも今後も増えていく流れにはなると思いますが、あくまで建築主の考え方になります。

Bluetoothスピーカーが現在の主流とは言え、オーナーサイドとしては付加価値を与えるため物件に設置しても、時代の流れでBluetoothスピーカーに代わるものが出てくるリスクも付いてまわることになるためです。

自宅の新築やリフォームでは一定の需要はあると考えます。

 

③シャワールームのみの件

シャワールームのみで浴槽が無い件については、住宅でも男性は気にされない方も多いと思います。

私も単身一人暮らしの時は、家で浴槽にお湯をためたことはありませんでした。

最近はシャワールームのみの物件も見かける頻度が増えてきました(一人暮らし用の間取りでです)。

昨年に私も、中央区日本橋エリアでシャワールームのみのリノベーションマンションの購入のお手伝いをさせて頂きました。

今後は1LDKくらいまでの広さではシャワールームのみの物件も増えてくると予想しています。

 

不動産会社視点で考えた場合、そうなってくると、バブル期に建てられた20㎡を下回る広さの物件にも強みが出てきます。

単純に浴槽がない分、部屋は広く使えることになるためです。

そういった物件を賃貸として貸し出しているオーナーさんとしても浴槽がない分、リフォーム費用が抑えられます。

この点は、入居者さん・オーナーさんにとって双方メリットです。

ただし、一人暮らしでも女性のお風呂に浸かりたい需要は今後も続くと思います。

そのため、今後は浴槽ありの物件も供給されつつ、シャワールームのみの物件は供給が増えていく賃貸住宅市場になると予想します。

 

今回のホテルですが、なんだかスタイリッシュな空間が想像できます。

不動産会社としても室内コンセプトの一例として参考になるところがあります。